2026年2月1日(日)に実施された、洗足学園中学校の第1回入試
2026年入試で最も注目された学校の一つ、洗足学園中学校高等学校(神奈川県川崎市)。1924年に創設、1926年に設立された女子伝統校ですが、神奈川県トップクラスの進学校という側面を持ち、国公立大や難関私大、アイビーリーグなどの海外大へも進学者を輩出しています。2026年2月1日(日)、洗足学園中学校第1回入試の様子をお知らせします。〈取材・撮影/市村幸妙〉
第1志望者をおもんぱかった入試改革
2026年入試では、これまで3回行っていた入試を2回に変更することで、第1回入試(2月1日)の募集定員を40名増の120名とし、第1志望者への配慮を行った洗足学園中学校。
ただし、事前予測におけるあまりの高い人気に、ある程度のチャレンジ層は出願を断念した可能性があるように見受けられました。それでも第1回の出願者数は、2025年入試の231名から2026年入試では306名と増加、改めて人気の高さが伺えました。
第1回入試での倍率は、2025年入試が2.9倍、2026年入試は2.6倍ではあったものの、先述の通り、同校への熱い思いを持つ第1志望者の受験生たちが揃います。
なお、2月2日に実施された第2回入試は、定員100名のところ473名の出願がありました。実受験者数は326名で、こちらも厳しい入試となりました。
集合時間の約1時間前にはすでに受験生の列が続く
東急田園都市線・大井町線の「溝の口駅」、JR南武線「武蔵溝ノ口駅」から徒歩約8分のところに位置する洗足学園。都内からも横浜方面からもアクセスしやすい、利便性の高さも魅力です。
集合時間は8時30分ですが、早めに来校した受験生は7時20分前後にはすでに到着していたようです。7時30分を過ぎたあたりから受験生たちが続々とやってきます。ピークタイムは7時50分ごろで、以降は受験生親子の列が続きます。
第1志望者が多い洗足学園だからこそ、学校説明会などを通じて、同校へは何度も訪れ、通い慣れたという受験生も多いことでしょう。
独創的な造形美を描き、かつ充実した施設を誇る校舎の正面階段を上がったところでは校長の宮阪元子先生、その先のメインエントランスでは、自ら志願した中1の生徒たちやたくさんの先生方が出迎えてくれます。
宮阪先生は、まるで受験生一人ひとりに語りかけるかのように「がんばってね」と優しく声かけされていました。受験生たちは当然ながら緊張の色はあるものの、温かく迎え入れたいと願う、同校の皆さんの気持ちを少しでも感じ取ることができたのではないでしょうか。
メインエントランスで受験生たちにあいさつしていた、ある中1の生徒になぜサポート役を希望したのかを訊ねると、「受験生たちの緊張感を少しでもほぐすことができたら」と教えてくれました。
なお、入試運営には教職員はもちろんですが、OGも参加しているのだそうです。
それだけではなく、入試前日の1月31日(土)には、在校生たちが試験会場となる教室を中心に美しい校内をさらに丹念に掃除をし、ピカピカに磨き上げていました(学校提供写真)。
こうしたところからも、学園全体で受験生たちを歓迎している様子を見ることができます。
暖かな大講堂にて、親子で待機する受験生も多数
メインエントランスを抜け、知恵などの女神とされるミネルヴァ像が中央に鎮座するアトリウムを進むと、左手には保護者控室となる大講堂があります。試験会場への移動が始まるまでは、大講堂で親子一緒に待機することが可能です。7時53分頃にはアナウンスがあり、受験生たちは移動を開始。
その後に訪れた受験生たちは、女神ミネルヴァ像の前で保護者といっときのお別れになります。この日は日曜日だったこともあり、お父さんも含めた親子3人で来校している受験生が多いように感じました。また同時に、学校の外では、5年生以下の受験生親子の姿も多く見られました。
吹き抜けの高い天井とガラス張りで明るい陽が差し込むアトリウムには、試験会場へ向かう受験生、登校した受験生親子、大講堂に向かったり学校外へ出たりという保護者、そして案内役の先生方などが一堂に介しますが、動線がしっかりと整えられており、誘導がスムーズに行われていたことも印象的でした。
緊張感が走る試験会場内
受験生たちは整然と列になり、到着順に試験会場へ向かいます。力強い足取りで進むその背中を見つめると、全員の受験生が無事に自分自身の実力を出し切れますように、と思わず祈るような気持ちになります。
試験科目は4教科で、国語は8時45分から9時35分まで、算数は9時55分から10時45分までのそれぞれ50分間、社会と理科は11時5分から12時5分までの60分となっています。
試験会場である教室内は静かな緊張感に包まれていますが、開始までの間にお手洗いを済ませたり、直前までプリントを見たりと、それぞれが思い思いに過ごしていました。
試験はノーチャイム制で行われていました。
入試ではあるものの、同校の学校生活の一端が垣間見える機会となったのではないでしょうか。
洗足学園では、試験全日程終了後の比較的早い段階で、その年の入試問題と解説を公式ホームページで公開されています。
こうした対応の速さも、受験生たちから大きく支持される一つの要素なのだろうと感じ入りました。
なお、解答例は5月または6月あたりに公開される予定です。
実社会で、世界で、翔ける力を培う教育
“『生徒ひとり一人の幸福な自己実現』―これこそ私たち教師全員の最大の願いです”とする洗足学園。生徒一人ひとりに寄り添った丁寧な指導体制、人生を豊かにする教養や情操を育む充実した教育内容が高く評価されています。
多様性に満ちた現代社会において、生徒たちが生涯にわたって活躍の舞台を獲得できるよう、洗足学園では高い志とともに、創造力や人間関係調整能力といった、単なる知識に終わらないさまざまな力の習得を重視しています。それらに必要とされる能力を以下の4つに位置付けています。
①高い学力:大学進学にとどまらず、常に新しい知識を理解し吸収していける根源的な学力の育成を目標としています
②豊かな感性:他者を思いやれる優しさやみずみずしさと、ニーズを的確に捉えられる鋭さを併せ持てることが目標です
③コミュニケーション能力:スキルとして不可欠な英語力と、言葉による人間関係の構築力がテーマです
④広い視野:より良い生き方を選択できる力を育てるとともに、リーダーとして不可欠な長いスパンでものごとを捉える力と客観的観察力を養っていきたいと考えています
2025年春は東大現役合格者28名と大躍進
中高での6年間を通じて、実社会で活躍できる力を涵養していく洗足学園の学校生活。
なお、同校の特徴的なカリキュラムに、高3までの全員数学必修制があります。これは論理的・科学的に物事を捉え、データを扱う力や説明できる力を涵養し、本質的で偏らない学力を大切にしているからこそ。
年々人気と注目度が上がる一つの要因に、同校の高い大学合格実績があげられます。
2025年3月卒業生の場合、237名の卒業生のうち、28名の東大現役合格者をはじめ、旧帝大や国立大学などに計103名合格と、大躍進を遂げました。
海外大学へも10名の合格者を輩出しています。「前田若尾記念奨学金」という、海外大学支援奨学金を2023年に創設され、こうした海外大学進学へのサポート体制も万全なため、生徒たちは安心して将来への選択肢を広げることができているのです。
先の見えない時代だからこそ、主体性を持ち、より良い選択肢を選びながら自らの未来を掴み取っていく洗足学園の生徒たち。
伸びやかな校風と先進的な学び、そして確かな学力をつけることができる、同校の教育内容にますます注目が集まることは間違いありません。
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