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学校特集

明星中学校・高等学校2025

100 年受け継ぐ「実践躬行」で人間力を磨き、グローバル人材を育成

掲載日:2025年7月4日(金)

JR中央線の国分寺駅・京王線の府中駅からバスで7分ほど、多摩地区の緑豊かで広々とした場所にある明星中学校・高等学校。創立100年以上の伝統と歴史があり、特にこの10年は進学実績を大きく伸ばしている注目校のひとつです。今年4月には、新校長として井上一紀先生を迎え入れ、新たなスタートを切った同校。井上先生に、就任にあたっての抱負や教育の特色、進路・進学への取り組みについてお聞きしました。

いまの時代にも通ずる建学の精神
ソフト・ハードともに充実

明星_校長の井上一紀先生
校長の井上一紀先生

 新校長の井上一紀先生は、1983年から渋谷教育学園幕張中学校高等学校(以下、渋谷幕張)に勤務し、長年にわたって教育者としてキャリアを積み重ねてこられた大ベテランです。昨年まで渋谷幕張の校長補佐・進路部長を務めていましたが、それ以前は渋谷幕張シンガポール校(現・早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校)の創設にも携わり、13年間シンガポールで教鞭をとったご経験もお持ちです。

 校長に就任して1カ月半が経ったいま、井上先生は明星中学校・高等学校の良さについて次のように話します。

「103年という長い歴史を誇る学校ですが、もともとグローバル志向が強く、考え方や感覚にはとても新しいものがあると感じています。創立者・児玉九十先生が掲げた『和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する』という建学の精神が、現在も古い印象を与えず、むしろ最先端として通じているというのは驚くべきことです。この学校がしっかりと継承し続けてきたこと、きちんと教育カリキュラムやクラス編成などにも落とし込まれていることは素晴らしいと思いますね。さらに、設備・環境が充分に整っていることもこの学校の大きな魅力です。都心にある学校は、敷地が狭かったり周りにビルがあったりでどうしても閉塞感があるものですが、ここにはそうした窮屈さがまったくありません。キャンパスの広さも相まって、生徒たちはのびのびと過ごしています」

明星_気持ちのいい空間でのびのびとした学校生活を送ることができます
気持ちのいい空間でのびのびとした学校生活を送ることができます

 井上先生がそう話す通り、同校は多くの木々に囲まれた約71,564㎡の広大な敷地内にあります。系列の幼稚園や小学校のほか、テニスコート4面、グラウンド、屋内プール、アリーナを構える総合体育館、そして300名以上を収容できるカフェテリアがあるなど、充実した学校生活を送るには申し分のない環境が整っています。

 同校のグローバル志向の高さ、主体性教育の実践、理想的な施設・環境は、井上先生が長年働いていた渋谷幕張ともよく似ているそうです。こうしたソフト面・ハード面の充実は生徒が6年間を過ごすうえでとても大事な要素だと井上先生は言います。

 そして、明星の生徒たちに対しては次のような印象を抱いているそうです。
「まだ着任して間もないため、すべてが見えているわけではないですが、真面目で物事に一生懸命取り組む姿勢があること、穏やかな生徒が多いという印象があります。穏やかであるのはもちろん悪いことではないのですが、もう少し尖った部分があってもいいと思いますね。例えば、『将来はノーベル賞を獲る』、『(何らかの分野で)世界一になる』というようなスケールの大きいことを言ったり、実際に目指したり。もしかしたら遠慮があるのかもしれませんが、そうした夢は言葉にしないと実現できません。臆することなくどんどん声に出してほしいと思いますね。本校の教育方針の中に『実践躬行』という言葉がありますが、これは主体性教育の基本です。本校では『とにかくやってごらん』という姿勢を大切にしています。良いと思うことはまずやってみることが大事。たとえうまくいかなくても、それもひとつの経験になります。次のプラスになればいいという考え方で前に進んでいける子たちが、この学校にはきっと多く集まっているはずです」

 井上先生は今後も生徒を見守り、交流をする中で、まだ見えていない新たな面を発見していきたいと考えています。

進学実績アップとキャリア教育、
グローバル人材の育成に注力

明星_和気あいあいとした校風の中、切磋琢磨しています
和気あいあいとした校風の中、切磋琢磨しています

 井上先生自身は、今後の学校運営における目標のひとつに、同校の進学実績を上げていくこと、そのための基盤固めを行うことを挙げています。特に、渋谷幕張では生徒の進路・進学面に12年にわたって携わり、東大合格者を数多く輩出してきた輝かしい実績があるため、その知見と手腕には大きな期待がかかっていることでしょう。

「いかにして生徒たちのモチベーションを上げていくかが肝だと考えています。教員のモチベーションがいくら高くても、やはりそれだけではダメなんですね。教員は、あくまでアドバイスする存在にすぎません。では、生徒たちのモチベーションを高めるために学校は何をすべきか。それは、生徒たちが早いうちから将来に自然と目を向けるようなキャリア教育を積極的に実践していくことです。教育目標に『自分の未来をデザインし共創していける人の育成』とありますが、まさにその通りです。キャリア教育では、大学に入るための話をするのではありません。目の前の大学入試はあくまで通過点のひとつでしかなく、先はまだまだ長いということに気づいてもらいたい。そして、将来自分はどんな仕事に就きたいのか、社会にどう貢献していくのかを考えてもらうきっかけをつくりたいのです」

 渋谷幕張でも、こうしたキャリア教育を実践し、手応えを感じていたという井上先生。今後、明星中学校・高等学校でも年間を通じて行い、さまざまな分野、国内外の第一線で活躍している方を招いて講演をしてもらう予定だといいます。その分野は商社、銀行、コンサルティングといったビジネス界のほか、政界、研究者、医師、弁護士など、多岐にわたります。なかでも、生徒たちと年齢が離れすぎていない30~40代の方々の話は、生徒により親近感を与え、具体性を持ちながらイメージできることから、モチベーションアップに大きな効果があるはずだと井上先生は考えています。

 さらに今後の目標・展望について、井上先生はこう話します。

「『日本のリーダーとして世界で活躍できる人材』を多く育てることにも注力していきたいです。ずっと日本で暮らしていると、グローバルで働くことに対して特別感を抱きがちです。しかし、グローバルという言葉に気構えることなく、それを当たり前なこととして捉える感覚が大事。それが、グローバルで活躍するための最初の一歩ではないでしょうか。このことを、私はシンガポール赴任時代に学びました。シンガポールは小さな国ですし、シンガポールの人々は、活躍するために国外に出ることは当たり前。アメリカやイギリスの学校、大学に行くのも決して特別なことではありません。今後、本校の生徒でも、そうした感覚で海外の大学へ進学する子が出てくれればうれしく思います」

 もともとグローバル志向の高さが光る同校。今後は、キャリア教育の浸透や井上先生の教えが相乗効果となり、きっと近い将来、海外大学を目指す生徒も出てくることでしょう。

先進的に実施されてきた
100年続く伝統の体験教育

 明星が教育方針に掲げる特色のひとつに「実践躬行(じっせんきゅうこう)の体験教育」があります。「実践躬行」とは、自分で実際に行動することを意味します。体験教育は「思索と体験の一致の教育」と位置付け、単なる学力面の教育に終わらず、判断力と実行力に優れた人の育成を目指しています。

明星_本物に触れる探究学習で、学びの本質への気づきを得ます
本物に触れる探究学習で、学びの本質への気づきを得ます

 現在、「探究学習」は主体性や創造力といった非認知能力を身につけられる学習として多くの学校で実施されるようになりました。
 しかし、同校では明星学苑創立者の児玉九十先生が学校創設時から提唱し、100年にわたって途絶えることなく先進的に実践し続けてきたという歴史があります。

 その教えは、国際教育にも根づいています。同校の場合、中学のうちから体験を通じて国際感覚をじっくりと養うことを大切にしており、中学1・2年時は、日本の食文化について学ぶファームステイ、イングリッシュキャンプ(いずれも国内)を実施。海外について知る前に、まずは日本について身を持って体験しながら知り、その自らの体験を英語で伝える・説明することを重視しています。

 その後、中学3年時に生徒全員が参加する「海外語学研修」を実施。マレーシアで3週間過ごすことで、現地の文化を体験しながら英語力を向上させると同時に国際的な視野を広げていきます。単に英語力を高めることに主眼を置くのではなく、"体験を通じた学び"となっているのが同校らしさです。

明星_凝念の姿勢は社会に出てからも役立ちます
凝念の姿勢は社会に出てからも役立ちます

 また、同じように伝統の教育として挙げられるのが、凝念(ぎょうねん)教育です。「凝念」とは、心を一点に集中させる、精神統一を指す言葉です。生徒たちは「凝念!」の掛け声とともに姿勢正しく腰掛け、両手は下腹部に合わせて瞑目して臍下丹田(せいかたんでん)に力を入れるとともに、心を集中させるよう努力します。物事へ集中する習慣や心の成長につながるこの「凝念」の教えは、創立以来受け継がれており、主に道徳に代わる時間として行われています。

 井上先生は、こうした同校の伝統についても共感を示します。

「人間力の育成にかなりこだわっているのが本校の長所のひとつです。こうした伝統はまさに人間力を育成するために必要なもの。ほかには、児玉九十先生が成蹊学園の創設者・中村春二先生により継承された、心を磨き鍛えるための『心力歌』もあります。生徒たちには難しく思われるかもしれませんが、できるだけわかりやすくかみ砕いて、大事な教えとして伝えていきたいです」

国公立大・難関私大の合格者は
この10年で大きく伸長

明星_理系への興味関心を引き出す、「MEISEIアカデミック・ラボ」を開講しています
理系への興味関心を引き出す、「MEISEIアカデミック・ラボ」を開講しています

 この10年で、国公立大・難関私立大の合格者数を大きく伸ばしている明星中学校・高等学校。併設の明星大に進学する生徒は全体の10数%のため、大半は他大学への進学を目指し、受験勉強に励みます。2024年度卒業生379名の進学実績を見ると、国公立大に22名、難関私立大(※)に126名が合格しています。また、10年前は文系学部に進む生徒が7割近くだったのに対し、昨年は文系・理系の割合がほぼ半々と、志望する学部の傾向にも変化が表れてきています。
※......医早慶上理科ICU、GMARCH

「今後も、国公立大を目指す生徒は増えると思います。5教科しっかりと勉強する必要がありますが、それを乗り越えられるかどうかは、先述したようなモチベーションの有無が大きく影響してくるでしょう。生徒たちが高いモチベーションを保てるように、学校では仕組みや環境づくりをしっかりと行い、支えていきたい」と井上先生も意気込みます。

 同校の場合、高校進学の際に目指す大学に合わせて「特進クラス」と「進学クラス」に分かれます。前者は難関大入試に対応した学習を行い、後者は基礎学力の定着を図りながら志望大学への合格を目指します。以前から進路指導に力を入れており、校内には17名の進路専門スタッフが常駐。データを駆使して個人の特性や模試結果、日々の学習理解度から現在の学力を分析。志望校へのロードマップを描けるように的確なアドバイスを行っています。また、担任の先生や各教科の先生も日々の手厚い指導やサポートで生徒の目標実現を支えています。

 この10年の進路・進学面での躍進は、生徒たちの努力と同校のきめ細やかなサポートが奏功した結果の表れです。今後は経験豊富な井上先生の尽力も加わり、ますます大きな実績を上げていくのでしょう。

明星_部活動や学校行事なども熱心に取り組んでいます
部活動や学校行事なども熱心に取り組んでいます

「まだ着任したばかりですが、これからの学校づくりにとてもワクワクしています。生徒の皆さんも、同じようにワクワクしながら学校生活を送ったり将来に目を向けたりできるよう、これから様々なことに取り組んでいきたいと考えています」と、井上先生。

 歴史と伝統に裏打ちされた深みのある教育、学ぶ意欲を支える充分な環境、夢の実現に向けた手厚いサポート。それらすべてが十分に備わっているのが明星中学校・高等学校です。妥協のない、充実した6年間を送りたいと考える受験生親子にはぴったりでしょう。
 ぜひ、通年で行われる学校説明会、夏のオープンキャンパス、秋の明星祭に足を運び、実際に目で見て確認してみませんか。

最難関大とグローバル人材の育成を目指した「明星Institution中等教育部(MI)」を新開設!

 明星学苑は、2026年4月より「明星Institution中等教育部(MI)」を新しく開設します。MIでは、高度な進学カリキュラムを提供。中学と高校の区切りはなく、6年間が1つのスパンだという考え方で、最難関大学に挑む学力とモチベーションを育成します。さらに人間教育をグローバル・リーダーシップ・先見性・知的好奇心の4つの視点に置き、明星学苑の校是「実践躬行」の精神(一人ひとりが体験を通して創造性を開発し、頼もしい人間性を育成する)に基づいて人間力の向上を目指します。

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