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学校特集

開智日本橋学園中学・高等学校2025

自らの人生を主体的に進める、挑戦心あふれる生徒が集結!

掲載日:2025年6月22日(日)

開校以来、探究学習にも熱心に取り組み、主体的かつ深い学びを重視する開智学園。メディアに取り上げられるほど多くの受験生を集め、高い人気を誇ります。その中でもここ開智日本橋学園は唯一、都内に位置する中高一貫校です。JR総武線、都営浅草線の浅草橋駅から徒歩3分という、利便性の高い場所にあり、さまざまなエリアから多彩な個性を持つ生徒たちが通っています。
在校生がどんな日々を送り、どのように成長しているか。また卒業生の動向について、広報部長で教頭の井田貴之先生に伺いました。

やりたいことはどんどん挑戦
トライアンドエラーの心を育む

 今年2025年、2015年の校名変更・共学校化を経た1期生の多くが大学を卒業しました。

開智日本橋_広報部長で教頭の井田貴之先生
広報部長で教頭の井田貴之先生

「昨年度、4人の1期生が教育実習生として学校に戻ってきてくれました。その際、彼らは学校説明会に参加し、当時の学年主任と座談会を行いました。在校時に感じていたとして口々に語っていたのは、『どんなことでもダメとは言われなかった』『やりたいことをやらせてもらえた』ということでした」と井田貴之先生。

 1期生・2期生は開智日本橋学園(KNG)の土台となる行事やクラブ活動、そして現在につながる校風も作り上げていきました。

「開智(埼玉県さいたま市)の中高一貫部から来た教員がいたので教育内容を参考にしつつも、新たに創設する男子の部活動や宿泊を含む行事なども、生徒たちとゼロから考えていきました。
 偶然ですがこの4人の卒業生は、体育祭や文化祭の各実行委員長を務めたり、野球部を立ち上げたり、現在の『ハートグローバル(当時の「ヤング・アメリカンズ」)』という英語のイベントを誘致したりと、学校づくりにリアルに取り組んできた経験者たち。
 こうした姿勢が本校の"主体的な活動"という発想にきちんとつながっているのではと考えています」(以下、井田先生)

 後輩たちはそれらの活動をブラッシュアップさせながら守っています。

開智日本橋_入学式の翌日には中1生が学校生活をスムーズに送れるよう、中2がホストを務める行事「TBC」があります
入学式の翌日には中1生が学校生活をスムーズに送れるよう、中2がホストを務める行事「TBC」があります

「先輩たちがとにかくいろいろなことやってきているので、在校生も先輩から引き継いだ内容を残していきたいという思いで下級生を勧誘し、さまざまな取り組みが継承されています」

 ボランティア活動として、近隣のお店に生徒たちが交渉し、英語版のメニューを作成してみたり、地域の英語教室を訪ねて日本語がわからないネイティブスピーカーと英語がわからない小学生の橋渡しをしたり。ホームレスの人々のために手編みの帽子を作ったり、寄付をするために奔走したり。さらには卒業生が在校生に向けて、実践的なキャリア教育を展開するといった、多岐に渡る広がりを見せています。

 例えば、学校説明会実行委員に有志として名乗り出た生徒たちが運営のすべてを担う校舎案内ツアーは、150名程度の生徒たちが活躍しています。多くの生徒が自分が受験生の時に参加して楽しかったから、KNGの好きなところを伝えたいからという思いでボランティアとして臨んでいます。
 在校生が実際に案内してくれる毎回満員御礼になる人気のイベントとなっています。次回は夏に開催される予定です。

IBと親和性を持つ
主体性を重視するKNGでの学び

開智日本橋_中2で実施される「森のフィールドワーク」。観察眼が養われます
中2で実施される「森のフィールドワーク」。観察眼が養われます

 KNGでは「自分で考え、行動し、主体的に行動する」ことを大切にしています。
 この姿勢は、同校が国際バカロレア(IB)認定校であることも大きく影響しています。IBとは、チャレンジに満ちた国際的かつ総合的な教育プログラムのこと。KNGでは、中1から高1を対象にしたミドルイヤープログラム(MYP)を、高2と高3は最終試験を経て所定の成績を収めると国際的な大学入試資格(国際バカロレア資格)を取得できるディプロマプログラム(DP)に取り組んでいます。

 特にMYPでは単なる知識の習得ではなく、幅広い分野での学びを深める全人教育を目指しています。生徒たちは常に国際社会との関わりを意識し、自分は社会に対してどんな貢献ができるのかを考えながら生活することを求められます。

 よくありがちなのが、何のために勉強するのかという質問です。井田先生はわざと、生徒たちに考えさせるように「人のために勉強するんだよ」と伝えているそうです。
「貢献の仕方も人それぞれですし、得手不得手もあるので、得意な分野で貢献することはいいと思います。しかし、苦手な部分を克服したほうが貢献度合いが大きくなるのであれば、そこにチャレンジするのも一つの手ですよね。
 例えば、医学部を出て高度医療知識を身につけたら、助けられる方が多くなり、貢献の度合いが上がります。いずれにしても、自分で判断しながら中高6年間でさまざまな経験を積み、その貢献レベルを上げられるように勉強することが大事だよ、と話しています」

 井田先生は、ひいてはその貢献レベルが報酬にもつながる、という率直なことも生徒たちとするそうです。
「貢献の大きさが評価になりますし、自分ひとりで完結する世の中はありません」

開智日本橋_ボスニア出身の先生が在籍しており、同地で行われる研修は生徒たちに人気があります
ボスニア出身の先生が在籍しており、同地で行われる研修は生徒たちに人気があります

 KNGで重視するのは、学校で学ぶことの理由です。
「学校で学べる最も大切なことは社会性です。本校にはさまざまな国籍を持つ生徒たちがいます。多様な背景を持つ同級生やその保護者など、先輩・後輩という異年齢の人たちと接する際にどううまくやっていくか。当然ながら教員の性別や年齢、国籍も多様で、こうした人たちとどう付き合っていくかを学べる場が学校です。
 6年間の中でそうした社会の縮図を体験し、その経験を社会に出た時に活かして活躍してほしいのです」

 なおKNGの大きな特徴として、一般企業などでの社会人経験を経て教員になった先生が多いことがあげられます。
「若い頃は他業種を経験し、やはり先生になりたいと本校に入校した教員が一定数います。
 説明会で保護者の方がよくおっしゃるのは、リアルな社会を知っている人が、社会に出るときに必要なことを教えてくれるのですねということです」

 例えば校長の近藤健志先生は、金融関係で仕事をされていた国際的にも活躍した経歴の持ち主。井田先生自身も教育に携わっていたとはいえ、別の業界からの入職者です。情熱を持ってキャリアチェンジをした先生方が実社会での経験を活かしつつ、生徒たちと共に学び続けています。そうした背中を見ているからこそ、生徒たちの間にも、挑戦することをいとわない姿勢が涵養されているのでしょう。

目標が定まると一気に伸びる
ファシリテーターとして支える教師陣

開智日本橋_さまざまな考えに触れ、自ら発信する機会も豊富です
さまざまな考えに触れ、自ら発信する機会も豊富です

 IBにはその使命を具現化した学習者像があります。「探究する人」「心を開く人」「知識のある人」「思いやりのある人」「考える人」「挑戦する人」「コミュニケーションができる人」「バランスの取れた人」「信念のある人」「振り返りができる人」という10項目です。

「さまざまな活動のたびに、生徒たちには『あなたはどういう人物像を目指すの?』『この活動を通してどんなスキルを身につけたいの?』と問うて、チャレンジすることを促しつつ、学び方も学んでいます。
 IBの中に、ATLスキル(Approaches to Learning Skills)というキーワードがあります。例えばテスト勉強の計画を立てる際、自己管理スキルの中でも、今回は自分の気持ちのコントロールをテーマとした情動スキルに焦点を当てようなど、それぞれの自分の狙いに合わせて、具体的な計画を立てます。この最初の段階で自分でしっかりと考え、予測できることを想定した上で計画して、落とし込んだあとに実践につなげ、振り返りを図ることがとても大切です」

 先生方は生徒に寄り添い、その他にも課題になりそうなことを探りながら、さまざまなアドバイスやフィードバックを行うことで実感を伴った学びにつなげています。

「生徒たちがやりたいと思っていることをサポートするだけでなく、その質を高めるために、より喜んでもらうためにもっと考えられることはないのか、さらに高みを目指させるような多角的な視点や気づきを得られるような声かけなどをすることは我々教員の重要な役割のひとつです」

 井田先生は高校生の進路相談を担当することも多いのだそう。
「その生徒の志望学部が自分の専門外の時、詳しくない部分も正直なところあります。それでも自己PR文などを読んで疑問に感じたことを質問しています。
『認定こども園の先生になりたい』と言っていたある卒業生には、幼稚園や保育園とは何が違うのか、働き方はどうなのかを含めて尋ねていきました。結果、その生徒も言語化することで自分の中での文脈が整理されていったようです。生徒一人ひとりにどれだけ興味関心を持てるのかということも、教員としての大きなポイントだと考えています」

開智日本橋_放課後も校内のあちらこちらで共に学び合う生徒たちの姿が見られます
放課後も校内のあちらこちらで共に学び合う生徒たちの姿が見られます

 なかには高2で突然、医学部に進学したいと伝えてきた生徒もいたそうです。
「理系が苦手な子だったので驚きましたが、目標が定まり自分で覚悟を決めると姿勢が大きく変わりました。我々としてはとにかく励ましたり、相談に乗ったりということを繰り返しますが、学び方が身についていれば、そこから実現できたりするものです。教育の難しさと面白さを感じますね」

 もちろん、こういう先行きが不透明な世界ですから、将来に向けて迷っている生徒たちもいます。
「中高生の彼らに見えている職業というのはごく一部だと思うのです。今の時点で将来の仕事を明確に決めるなんて難しいよねと話しています。大学でもいろいろな経験をしてみたい、世界を見てみたいと考え、入学後に学部学科を選択できる東大や北大を目指す生徒もいます。さまざまなことに興味を持ち続けながら、物事をどうポジティブに捉えていけるかが大事だと思うのです」

 なおKNGでは高1まで、探究型・協働型の授業を行う「リーディングコース(LC)」、海外大学進学も視野に入れた英語教育を行う「デュアルランゲージコース(DLC)」、帰国生など十分な英語力を持つ「グローバル・リーディングコース(GLC)」という3つのコースに分かれて学びます。

「全コースでIBの学びを取れ入れていますが、いわゆる一般生たちのLCから、高2でDPに進みたいと考える生徒がいるのかという不安もありました。DLC、GLCの生徒と混ざるので英語力のハードルなどは実際にありますが、それでもチャレンジしたいという生徒たちが出ています。自分自身の将来に向けた道のりがさまざまあること、挑戦し続ける大切さが生徒たちに伝わっているのかなとうれしく思います」

 好奇心を持ちながら物事をポジティブに捉え、挑戦することを徹底的にあと押しするKNGの教育。先生方も生徒たちのお手本となるべく、常にチャレンジングに学び続けています。

自分は社会にどう貢献できるか
KNGが考えるリーダー像とは

開智日本橋_生徒たちの発案により開催された「国際交流展示会」
生徒たちの発案により開催された「国際交流展示会」

「平和で豊かな国際社会の実現に貢献するリーダーの育成」を目指すKNG。

 井田先生に、リーダー像をどのように考えているのかを伺いました。
「『リーダー』を辞書で引くと、"先頭に立ってみんなを引っ張る人"とあります。学校説明会などでリーダーについてお話しすると『うちの子は引っ込み思案だから』などとおっしゃる保護者の方も多いのです。しかし私はリーダーとは、周りの人をうまく活躍させられる人だと考えています。縁の下の力持ちとして動ける人や潤滑剤のような存在の人も真のリーダーです」

 普段の授業やクラス運営などのさまざまな場面で、リーダーとして活躍できる機会があると捉えています。
「日々の中でたくさんのリーダーを作って経験させることを意識しています。例えば、実験の時にもそれぞれが役割の中で考えながら取り組んでいますし、グループ制を取りたい場合、グループのメンバーをどうするかを生徒たちに話し合わせます。班長に立候補した生徒が、クラスメートの特性や性格を配慮しながらグループを構成していきます。
 学校行事ほど考えるべきこと、配慮しなければならない範囲の規模感は大きくありませんが、意識の持ち方はこうした日常的な場面でトレーニングできます」

 そうして積み重ねた経験がイベントなどでも役立てられていきます。井田先生が担任をしていた頃は、文化祭や体育祭の実行委員などの大きな役職経験者には、次のイベント時にはその役割を積極的に他の人に譲ってほしいと伝えていたそうです。
 こうした機会を設けていく中で、人前での活動に消極的だった生徒も自分の殻を破って成長していく事例がたくさん生まれています。

開智日本橋_中1では「磯のフィールドワーク」を行います
中1では「磯のフィールドワーク」を行います

 生徒同士の切磋琢磨や先生の声かけも彼らを大きく育んでいます。
「各学年の行事で実行委員の動きもよく見ています。
 特に印象的だったのは、現・中3生たちが中1の時に行ったフィールドワークです。教員たちがより主体的に動けるようにヒントを与えたり、仕掛けたりということはあるのでしょうが、想定を超えてくる行動力や発想力が素晴らしかったのです。
 フィールドワークが終わり、実行委員会を解散するときに、学年主任が委員の生徒たちに『君たちと将来一緒に働きたい』と伝えていたことがとても心に残っています」

 これは生徒たちにとって自分たちの活動が大人に認められたという、最上級の褒め言葉でしょう。

 多文化共生が推進される現代社会の中で、 KNGの生徒たちはたくましく探究し、思いやりを胸に、ワクワクしながら考え、しなやかに挑戦する心を持って成長しています。

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