品川翔英中学校(東京・共学校)「ラーナー型入試」26年入試レポート
品川翔英中学校は東京都品川区に位置する共学校で、基礎学力の定着に加え、探究的な学びを重視した一貫教育を行っています。近年注目を集める品川翔英中学校の入試「ラーナー型入試」の様子をレポートいたします。<取材/ミライクリエ菅原祐二>
一人ひとりの可能性を大切にするラーナー型入試
品川翔英中学校では、一般的な教科型入試に加え、英語一科入試や、5教科の中から受験教科を選択できる入試など、多様な受験生に対応した入試制度を実施しています。また、新しいタイプの入試として「ラーナー型入試」を導入している点も特長です。ラーナー型入試は、単に知識量や得点だけで評価するのではなく、「学ぶ姿勢」や「挑戦し続ける力」「他者と関わりながら成長しようとする力」といった非認知能力に目を向ける入試です。
この入試がスタートした背景には、「多様な個性を持つ生徒に出会いたい」「これからの時代に必要な力をすでに伸ばし始めている生徒に入学してほしい」という学校の強い想いがあります。正解を素早く導き出す力だけでなく、問いに向き合い、考え、試行錯誤しながら学びを深めていけるかどうか。その“学習者(ラーナー)としての姿”を評価する点が、この入試の大きな特徴です。
品川翔英中学校では、「学び続けるLEARNER」という考え方のもと、探究的に学ぶ姿勢や、他者と関わりながら成長しようとする姿を大切にしています。ラーナー型入試は、これまでの入試では見えにくかった生徒一人ひとりの可能性を丁寧にすくい上げる仕組みとして位置づけられています。
2026年2月1日(日)午後実施の「ラーナー型入試」。①算数②記述課題(作文)③プレゼンテーションまたは英語インタビューの構成です。
午前入試後のカフェテリアに漂う、静かな緊張感
受付開始時間は14時20分、集合時間は14時50分です。2月1日午前に品川翔英中学校や他校の入試を終えた親子が、校内のカフェテリアで時間を過ごしています。テーブルには温かい飲み物や軽食が並びますが、会話は控えめで、落ち着いた空気が流れています。
子どもたちは午前の試験を思い返しながらノートや参考書に目を向け、保護者はスマートフォンを手にしつつ、時折わが子の様子を気にかけています。ほっとした表情も見られる一方で、次の試験を前にした緊張感も感じられます。
午前入試という一つの山を越えた安堵と、午後入試を控えた緊張が入り混じる時間です。カフェテリアは、親子が気持ちを整え、次に向かう準備をするための大切なひとときの場となっています。
受付からいざ試験会場へ
受験の受付が始まると、校内には独特の緊張感が広がりました。品川翔英中学校では、2月1日の午後に「2科型特待生入試」と「ラーナー型入試」が実施され、受験生たちが次々と来校しました。
受験生は試験区分ごとに整列し、案内に従って受付を済ませていきます。係の教職員による丁寧な声かけのもと、受験生たちは落ち着いた様子で受付を通過し、指定された試験会場へと移動しました。
会場へ向かう廊下では、受験票を手に最終確認を行う姿や、静かに気持ちを整える様子が見られ、本番を目前にした真剣な空気が感じられました。学校側のスムーズな誘導により、混乱もなく、受験生はそれぞれの試験に臨んでいきました。
諸注意を終え、算数試験で緊張と集中が交差する教室
試験開始時刻になると、試験官から諸注意が行われます。解答方法や時間配分、注意点について丁寧な説明があり、受験生たちは前を向き、静かに耳を傾けていました。うなずきながら話を聞く姿や、緊張した表情の中にも気持ちを整えようとする様子が見られ、教室内には引き締まった空気が広がります。
最初の試験は算数で、試験時間は30分です。問題用紙が配付されると、受験生たちはまず全体に目を通し、落ち着いて取り組む準備をします。開始の合図と同時に鉛筆を走らせる受験生もいれば、問題文をじっくり読み込み、考えを整理してから書き始める受験生もいました。計算力だけでなく、考え方や工夫する力が問われる内容に、途中式を丁寧に書きながら解き進める姿が印象的です。30分という限られた時間の中で、集中力を切らさず取り組む様子からは、日頃の学びの積み重ねが感じられました。
知識を超えて問われるもの――ラーナー型入試・記述課題の時間
続いて行われたのが記述課題です。2026年入試では、「ラーナー型入試を受けようと思った理由と、この入試でどのような自分を表現したいか」を、これまでの学びや経験をふまえて200〜300字で書くことが求められました。解答用紙を前に、すぐに書き始める受験生もいれば、しばらく考え込んでからペンを動かす受験生もおり、それぞれが自分自身と向き合う時間となっていました。探究活動や学校生活での経験、挑戦してきたことなどを振り返りながら、「自分らしさ」を言葉で伝えようとする姿が見られ、教室には鉛筆の音だけが静かに響いていました。
ラーナー型入試ならではの、知識だけでなく考える力や学びへの姿勢を大切にする試験の様子が、教室の空気からも伝わってきました。
答案では測れない力が表れる瞬間
いよいよプレゼンテーション、または英語インタビューの時間となりました。
教室には、これまでの筆記試験とはひと味違う緊張感が漂います。順番を待つ受験生は、手元の資料を何度も見返したり、静かに深呼吸をしたりしながら、その時を待っていました。
プレゼンテーションが始まると、小学6年生とは思えないほど真剣な表情で前に立つ受験生の姿が見られます。声が少し震えながらも、視線を上げ、聞き手を意識して話そうとする様子からは、「自分のことを伝えたい」「ここまで頑張ってきたことを知ってほしい」という強い思いが伝わってきます。緊張の中でも、身ぶり手ぶりを交えたり、資料を指し示したりしながら、懸命に自分をアピールしようとする姿が印象的でした。
英語インタビューでは、試験会場となる教室に入室した受験生が、皆、緊張した面持ちでネイティブ教員と向かい合います。しかし、そこはさすが品川翔英中学校の先生方。やさしい表情やうなずき、視線の配り方といった卓越したノンバーバルコミュニケーションによって、受験生の緊張を自然と和らげていました。流ちょうさ以上に、質問をよく聞き、自分の言葉で答えようとする姿勢が大切にされ、言葉に詰まりながらも懸命に応えようとする小6受験生の姿が評価されている様子がうかがえます。
教室には、緊張と挑戦が入り混じりながらも、受験生一人ひとりがこれまで積み重ねてきた学びや経験を、自分の力で表現しようとする前向きな空気が広がっていました。
受験の合間に感じる品川翔英の未来へのメッセージ
お子さまが受験に臨んでいる時間、保護者控え室では品川翔英中学校の校長・柴田哲彦先生によるお話が行われました。学校が大切にしている教育理念や、生徒一人ひとりの可能性を引き出す学びのあり方について、具体的なエピソードを交えながら語られ、会場は静かに聞き入る雰囲気に包まれました。変化の激しい時代を見据え、探究的な学びを通して未来を切り拓く力を育てたいという言葉には、強い情熱と覚悟が感じられました。受験という緊張のひとときの中で、学校の目指す姿をあらためて知る、貴重な時間となっていました。
現小4・5生必見 学校説明会開催!
品川翔英中学校では、現小学4・5年生の受験生と保護者を対象に、2026年2月28日、中学校説明会を実施します。校長挨拶では、品川翔英が大切にする教育理念や、生徒一人ひとりの個性を伸ばす学びについて紹介する予定です。あわせて、探究的な学習を軸とした中高一貫教育の特長や、学校生活の実際について理解を深めていただきます。当日は在校生による生徒Q&Aも行われ、授業や行事、日常の雰囲気を生の声で聞くことができます。さらに、2027年度募集の中高一貫部「Global Advanced留学コース」についても説明を行い、海外での学びを取り入れたカリキュラムや将来につながる学習環境を紹介します。説明会後には校舎見学も予定されています。
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