高校入試の内申点と偏差値のしくみ
「自分で決める」高校受験情報誌 Find!MY高校2025 より
高校受験についてまわる内申点と偏差値。内申点と偏差値は、高校に進学するみなさんが自分のレベルに合った高校に全員が入れるようにしてきた制度なのですが、高校の授業料の無償化や都立高校の受験が併願可能になるかもしれないことなど、いろいろなことが変わりはじめています。ここでは最低限知っておきたい内申点と偏差値のしくみをまとめました。ぜひこれから自分で選ぶ高校の参考資料としてください。
内申書に書かれていることは?
内申書は、「調査書」と呼ばれ、中学校の先生が作成して、志望する高校に提出されます。では、内申書には何が書かれているかというと、成績だけでなく学習の記録や出欠状況、課外活動の記録、生活態度など、あなたが過ごした中学3年間の学校生活全体を総合的に表す点数が書かれています。自分の内申点を知りたい!と思ったら、各学年の最後に受け取っている成績表(通知表)を確認しましょう。中1・中2の分は、年度末の最終成績をチェック。それがそのまま内申書に記載されます。3年生は、高校入試前に計算ができるよう、3学期制の学校の場合は2学期の成績まで、2学期制の学校の場合は後期の中間テストの成績までが内申点算出の対象とされることが多いようです。
また内申点の取り扱いは都道府県によって違いがあり、例えば内申点の評価対象になる学年が中1・中2・中3のところもあれば、中3のみのところもあります。さらに、中学3年時の評定は、学年末までは含まれず、2学期制と3学期制で対象となる期間が異なりますので注意が必要です。
内申点の対象教科と計算方法
内申点の対象教科は、国語・社会・数学・理科・英語・音楽・技術・美術・保健体育の9教科です。教科別に5段階評価が行われるので、内申点を上げるためには全ての教科をまんべんなくよくすることが求められます。また、都道府県によって計算方法が異なる点や、一般選抜と特別選抜(一部の高校で実施)で計算方法が異なる場合があり、注意が必要です。
内申点アップのポイント
内申点の評定は、文部科学省が定める学習指導要領にある学習目標をどの程度達成できたかが5段階で表されています。内申点アップさせるには、学習指導要領に「これができるようになりましょう」と記載されている行動を取ることで評定は上がります。基本的には、授業内容をきちんと学び、周囲の人の意見も聞きながら自分の意見を持ち、その成果をしっかり伝えられるかが評定されます。そのためにテストや課題があり、授業に対する態度が評価対象となっています。内申点を上げるためには、数値化しやすい定期テストが重視されますが、その他のポイントも意識して対応していくことが大切です。
偏差値とは?
偏差値とは、試験を受けた集団の中で、自分の成績がどの位置にあるかを示す数値です。例えば、テストを2回受けて両方とも80点だったとしても、テストの難しさは毎回違うので、1回目のテストと2回目のテストで、どちらが良い結果だったのか点数では判断がつきません。そんなときに利用するのが「偏差値」です。平均点を偏差値50として、それより高ければ平均より上、低ければ平均より下と判断します。
模試で自分の偏差値を知ろう
模試は、自分の今の学力でどの学校を目指せるかの指針となる偏差値が出るテストです。積極的に受けて自分が今いる位置を知っておきましょう。高校受験模試としてよく受験されているのが、VもぎとWもぎ。Vもぎは、都立Vもぎ、都立自校作成対策もぎ、私立Vもぎ、県立Vもぎ(千葉県)。同様にWもぎは、都立そっくりテスト、都立自校作成校対策もぎ、私立対策もぎ、神奈川県入試そっくりもぎ、特色検査対策もぎ(神奈川県)、2年生対象Wもぎ(神奈川県)などがあります。
また、埼玉県では「北辰テスト」、神奈川県では「神奈川全県模試」、千葉県では「総進Sもぎ」が有力な模試です。
学校選びには成績以外のことも大切
高校受験は、まず現在の学力を正確に把握することが志望校選びの第一歩です。自分の内申点や偏差値を基に、志望校の偏差値や入試の難易度を調べ、自分の学力に合った学校をリストアップしましょう。その後、学力だけでなく、通学時間や教育方針、クラブ活動、校舎・施設、進学実績など、現実的な部分も考慮して志望校選択を行いましょう。頭の中だけで考えていると整理がつきにくいので、学校のメリット・デメリットを書き出す志望校リストを作ってみるのも良いでしょう。
高校受験情報誌 Find!MY高校2025
Find MY高校は、中学生が“自分で選ぶ受験”を実現するための高校受験情報誌です。
豊富な学校情報に加え、進路を考えるヒントや、自分の興味・価値観を見つめ直すための問いかけを掲載。人に言われたままではなく、自分の意志で進路を決める力を育むことを大切にしています。15歳という最初の大きな節目に、自分と向き合い、未来への一歩を踏み出すきっかけをつくる一冊です。
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